メモ

2012.05.13 *Sun
とあるベルリンの街角のグラフィティ

ドラグラフィティ

なぜドラえもん……ちゃんと水色で描いてあるのが何だかおかしい。
とはいえ基本、町中の落書きには反対です。

そういえば大山のぶ代引退後、一度も番組を見ていないので、新しいドラえもんの声も聞いたことがない。
どんな感じなんだろう。
| 一般 |

5月1日

2012.05.01 *Tue
メーデーメーデー。
これってフランス語から来てるのね(venez m'aider/助けに来て)。知らなかった。

いつもメーデーの暴動が起こる昨晩から今朝にかけて、今年は比較的穏やかだったらしい。デモ自体は今も行われているので、ドイツの大きなメディアはライブ報道中。今晩は天候が荒れそうだけどどうなるかな。

先日ようやく映画「告白」を観た。
今、amazon.deを開けてチェックしたらドイツでもDVDが発売されている様子。関係ないけどドイツアマゾンのレビューは、映画に限らず本の場合も、下手するとオチや犯人を含む全ての粗筋を書く人がいるので、目を通す場合は注意が必要である。

原作は去年、母が買っておいたのを実家で読んだ。読後感はもちろん良くはないけれど、作者にちゃんと書きたい何かがあり、最後までそれがぶれないところに拍手。ただし個人的に好きなタイプの本ではなかったなあ。

やはり先に小説を読んだ友人と一緒に観たため、悪意むき出しの展開に鬱々とするというようなことはなかった。ただしそれは、トーン暗めの画面の割には、湿り気とは無縁の不思議とドライな印象の映画で、小説ほど嫌な後味が残らなかったせいかもしれない。夜、悪夢でも見るかと思ったけれど、そんなこともなく熟睡した。

そういえば、今月末から日本公開の「ミッドナイト・イン・パリ」はとてもチャーミングな映画。主人公のアメリカ男がどう見ても阿呆なのに(結婚に関しては完全な自業自得)、わらしべ長者ばりに甘やかされすぎなのはともかく。こんな魔法の時間がありそうだと思わせるのも、パリの街角だからこそ。



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| 映画 |

春!

2012.04.18 *Wed
復活祭を境に季節が変わった。ようやく春だ。

欲望のおもむくまま、パンとコーヒーを真夜中に貪ってしまったので寝るに寝られず、久しぶりの日記(月記?)を書くことにした。

日本での休暇が終わり、現在はドイツの日常へ復帰するためのリハビリ真っ最中。毎回のことだけれど、ドイツから日本に戻るときはドイツの習慣が、日本からドイツの場合は日本の習慣が、無意識のうちに出てきて困ってしまう。

空港についてすぐ体験するのが……ちょっと変な話だけれど……トイレの便座の高さの差。日本の洋式トイレの便座は、ドイツのものに較べるとかなり低めに作ってある。だからドイツの高さのつもりで腰かけようとすると、思った以上に深く腰を落とすことになってびっくりする。これがまずひとつ。

次は列車(電車)での移動時。列車の扉の開閉ボタンを押そうと、無意識のうちにドアに手を伸ばしてしまう。ドイツの列車(電車)の扉にはボタンがついていて、自分で開閉するシステムが殆どである。これはぼんやりして電車に乗っていると、帰省して日にちがたった後でもけっこうやってしまう。ボタンを求めて不自然に伸ばした手をどうやってスマートに下ろすかが目下の課題。

そして一番困るのは、割り勘の暗算が年々あやしくなっていくことである。ドイツの飲食店は基本チップ制(ベルリンの場合は5〜10%前後のことが多い)なので、たとえば26ユーロ60セントを3人で割り勘にする場合、きりのいい30ユーロを渡すことにして、一人10ユーロずつ払うという風にすることも多い(倹約家なら27ユーロにするかも…)。

そんな訳で、ドイツにいると細かい計算をする必要がないため、計算能力はどんどん錆びついてしまう。しかし日本にいても、レシートを見た瞬間に「○円払うことにしたら、きっちり割り切れるなあ」と考え始めてしまうあたり、もう引き返せないところまで来てる気がする。まあ大抵の場合、友人がさっさと携帯で端数まで計算してくれるので、「チップ乗せて○円ずつ払いましょう」などと馬鹿なことを口走らずにすんでいる。

あとはスーパーのレジで無言で買物するのに慣れない。
ドイツでは、レジ係のおばさんがどれほど愛想がなくても、どれほど商品の扱いが手荒であっても、「こんちは」「ありがと」程度の挨拶を客側からすることも多い。

だから丁寧に接客してくれる日本のレジ係に対して、無言で応じるのは何だか申し訳ない気がする。かと言って、こちらから挨拶したりするのは向こうにとっては不測の事態で、仕事のペースを乱してしまうことになりかねないので、申し訳ないと思いつつも無言でいることが多い。

逆にドイツに戻ってきての場合は……

日本の丁寧なサービスを思い出しては、ドイツの非道なサービスに胸のうちで毒づく。これは日本に旅行したドイツ(非ドイツ)人友人知人ほぼ全員が言う。

電車のドアの開閉ボタンを押すのを忘れたままドアの前にじーっと立ち、後ろの人に「降りるんですけど(ボタン押してよ)」と言われる。日本で起こるケースの逆パターン。降りそこねかねないので注意が必要。

そしてトイレの便座が高すぎる。

こうした日々のささやかな躓きを克服し、再びドイツの日常へと戻っていくのでした。おしまい。








| 一般 |

メモ

2012.03.27 *Tue
帰省中。
こちらに来てからの日にちはかなりたったのに、どうも時間の感覚が定まらず、夕方になると「日本はそろそろ夜中だな」と思ったり、ちょっとした違和感が残る。PCに触る機会が今ひとつなくて、日記もろくに書けずじまい。

サド侯爵夫人@世田谷パブリックシアター
作/三島由紀夫 演出/野村萬斎

今回は成田着だったので、世田谷パブリックシアターで公演中だった『サド侯爵夫人』を観劇する機会があった。時差ぼけの状態で観劇するからには物語が頭に入っているほうがよかろうと、一応原作を読んでから会場に向かった。

しかし箱物行政なんて言葉があるとはいえ、日本には全国に大小さまざま素敵な劇場がありますな。劇場の内部やロビー、階段部分の吹き抜けも、非日常への第一歩という雰囲気があっておもしろかった。

階段部分に展示されている過去の公演ポスターの中には、ベルリン・シャウビューネの『ノラ』のポスターもあった。たしかこれはイプセンの『人形の家』の翻案で、ベルリンでの公演当時、過激な演出でけっこう話題になっていたような記憶が。

普段ほとんど演劇を観ないので感想も何となく心許ない感じだけれど、6人の役者のなかでは、サン・フォン夫人の麻実れいさんとモントルイユ夫人役の白石加代子さんが印象に残った。とくに麻実さんは外見から所作まですべてがこの作品の世界にぴったりはまっていた。こんなに適役の役者さんがいるのは、作品にとっても幸せなことだろう。

白石さんはなんだろう、彼女のいるところ=白石加代子ワールドという、あまり外界からの影響を受けそうにない役者さんのようにお見受けした。今回の作品世界にあっているかと言われたら、ちょっと首をひねる感じではあるけれど、パンフレットを読むとあれも演出に沿った演技だったようなので、少し狂言を思わせる笑いも計算のうちなのだろう。

衣装も他の役者が比較的オーソドックスな衣装を着ているのに対し、モントルイユ夫人一人だけがエキゾチックジャパンなデザインで、スカートの部分には異形を思わせる奇妙なふくらみがつけられている。腰にまわしたしましまリボン?のせいか、ちょっと女郎蜘蛛みたいだった。しかし声をあれだけ自在に操れたらさぞ楽しいだろうなー。すごかったです。

蒼井優さんは雰囲気のある役者さんだなあと思った。顔が小さくて可憐で立ち姿もきれい。とりあえずそれだけで勝ちだねといいたい。ただ声の色調がそれほど豊かではないような感じで、長台詞になったときに麻美さんや白石さんのように、物語が十分に立ちあがって来ない感じはした(時差ぼけの頭には効果てきめんで眠くなってしまった…)。

この印象は、2月に観たヘンデルのオラトリオ「時と悟りの勝利」@シラー劇場の「美」役だったシルヴィア・シュヴァルツに通じるものがあるかも。シュヴァルツはもちろん音をはずさないし高音だって綺麗に出せる、ただ、最初の一声を聞いた瞬間から心を震わせるほどの力はなかった。まあシュヴァルツにしても蒼井さんにしてもまだ若いし、きっとこれからの人なのだろう。

舞台美術はけっこう好みでした。ベルリンコミックオペラ座も、たまにはこれぐらいシンプルだといいのに。

三島由紀夫の本は昔数冊読んだだけで、記憶に残っているのは、「憂国」の最後の場面と、文庫本のオレンジの背の部分がすぐ日焼けして色抜けしてしまうことぐらい。つまりほぼ読んだ記憶がないのだけれど、今回の劇は原作本の作者によるあとがきも含めなかなかに面白く、考えるところもあった。対になっている「わが友…」のほうもいつか観てみたい。





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その3,5; 蝉のこと。

2012.03.09 *Fri
コロンとセミコロンの区別がいまだ曖昧。

昨日から複数言語の字幕の話を書き始めたはいいが、だらだら長くなって収拾がつかなくなったので、先に蝉の話を。

蝉はドイツ語で「Zikade(ツィカーデ)」と言う。ただ、蝉はアルプス山脈以北には生息していないらしく、「Zikade」がどんな虫なのか実際に知っているドイツ人はそれほど多くない……らしい。

イソップ物語の「アリとキリギリス」のもともとの話が「アリとセミ」であったことからもわかるように、ギリシャには蝉が生息している。そんな訳で(どんな訳だ)、映画祭コンペ部門に出品されたギリシャ映画『メテオラ』にも、鳴き声だけだけれど蝉が出てくる。

僧侶と尼僧が、修道院の掟を破って野原で二人で逢い引きをする場面。季節は初夏かなあ。ワインを飲みながら美味しい肉料理を食べるうちに、びくびくしていた尼僧も徐々にくつろぎ始める。キスをする二人。やがて僧侶の手が尼僧の黒衣の隙間に滑り込み、肌にそっと触れ……

……とまあ、多少エロティックな場面があるんだけれど、けたたましく鳴いていたはずの蝉が、二人がお互いに夢中になっているうちに、すっかり鳴きやんでしまう。静けさに気づいた尼僧は、誰かが見ているのではないかと気になり、周囲を見回さずにはいられなくなる。

蝉が鳴きやんだのは誰かが近くにいるからかもしれないという想像は、日本人にはすんなり理解できるけれど、かなりの数のドイツ人は、騒音の消えた理由がわからなかったんじゃないかと思う。まあ、音が急に消えたことに違和感を覚えたなら、それが蝉の声だとわかる必要は必ずしもないわけだけれど、考えがシュールな方向にいきそうな気がする。

それからもう一本、映画祭パノラマ部門に出品された荻原直子監督(「かもめ食堂」)の新作『レンタネコ』にも蝉の話が出てきた。サヨコ(市川実日子)は人間の友達が殆どいないが、ネコに好かれてしまうネコ寄せ体質の女性。

彼女が一人で住む平屋建ての木造家屋の隣には、小林克也扮するおばさん(おじさんではない)が住んでいて、垣根越しに何かと茶々を入れてくる。ここから内容に触れるので、一応文字を反転しておきます。

ある日の小林克也おばさんは、サヨコに向かって「占い師に聞いてみたら、お前の前世は蝉だとさ」と告げる。「だからネコしかお前の後を追わないんだね」


上の台詞はニュアンスで。猫好きの人なら、猫が蝉を捕まえるのが大好きということを知っているだろう。捕まえた蝉がジージー鳴くのが面白いのかな。たとえそのことを知らなかったとしても、日本での上映なら、くすくす笑いぐらいは起きそうなものだけれど、映画祭ではこの場面で完全に無音、しーんとしていた。どうもニュアンスがあまり通じなかったのではないかと思う。

この日の上映は英語字幕で、「蝉」に当たる単語は「locust」となっていた。蝉は「cicada」じゃなかったっけと思って後で調べてみたら「locust」というのはバッタのことだった。おそらく字幕作成者が、ドイツでは蝉がわからない人が多いと思って、バッタに変えたのではないかなあ。でもベルリンではバッタもあまり見かけないから、「猫=虫大好き」という通念自体、浸透していないような気がする。

蝉にまつわる色々がわかるのも、蝉を知っているからこそ。蝉の鳴き声がなつかしい。これだけ書くのに、結局めちゃくちゃ長くなったわい。

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